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何かを待っているという考えは間違っていない。ドロシーに言われてまた考え始める。
具体的に何を待っているのかを考えるべきだ。それはただの言葉ではない。
流石にノーヒントということは無いだろう。レリオはリクの言葉、行動を全て思い出していく。そして。
「…………あ」
一つの答えを導き出した。
*
翌日の夕方。レリオは昨日練習をしていた場所に居た。
一日で愛想をつかれたのであれば別にそれはそれでいい。今まで通り一人でやるだけだ。
しかし、そんな心配は杞憂だったようでリクは居た。木にもたれかかってレリオを見ている。
レリオは溜め息をつきながら近くまで行き、リクと向き合った。
「リッキー、一ついいか?」
「何でしょうか?」
昨日と変わらず抑揚の無い声。吸い込まれそうな瞳。
「オレには、お前が言った『弱さ』って何なのかわかんねー」
「………!」
その瞳が、ほんの僅かだが見開いた。
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