番外編・勇気の無い獅子と桜髪の魔法使い

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「そうで、ございますか」 あまりの適当さ加減に驚いているのか。それとも若干引いているのかは分からないがリクは初めて言葉を詰まらせた。 「そういうてめーもオレからしたらかなり強ぇ奴だがな」 「どういう意味です?」 「よくわかんねールールを他人に強要しやがって。そういうルールを貫くのがてめーの意志の強さだろうが」 「それは誉められているのでしょうか?」 「……皮肉ってんだよ、言わせんな」 首を少し傾げるリクにレリオは溜め息をつく。今ここでレリオはリクと言う人間を理解した。 ドロシーを能天気バカ、カーシーを野生のバカだとするなら、リクは天然バカだ。 心が無いわけではない。好奇心が無いわけでもない。リクはただ相手を理解出来ないのだ。 自分がやっているのだから相手もやるべきと思っているし、それをやることによって相手からどう思われるかも分からない。 ようするにバカなのだ。レリオの周りにはタイプ別のバカばかり集まる。
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