番外編・勇気の無い獅子と桜髪の魔法使い

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「ところで、昨日から気になっていたのですが、その作業は楽しいのでございますか?」 「作業?何の話だ?」 「フラフラと虚空を蹴る作業にございます」 この練習は端から見るとそう映るのか。参考になった。 「作業じゃねぇ。れっきとした練習だ。姉ちゃんいねーから一人でやるしかねーだろ」 「お友達は?」 「いねーよ、そんなの」 「……寂しい方ですね」 「てめーにだけは言われたくねー」 再び虚空を蹴り始める。その様子を見てリクは再び尋ねる。 「その練習は、何か虚空に的が合った方が良いのでございますか?」 「まぁな」 半ば適当に返すレリオだったが、リクは懐から小さな紙を取り出した。 「……それは?」 「『魔紙』、でございます」 『魔紙』とは魔力を持つ木から作られた紙である。製造過程で魔法を使えばコストを抑えられる為、安価で売られている。 「どうすんだよ、それ?」 「折ります」 「…………は?」 「『降神』をするのでございます」
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