番外編・勇気の無い獅子と桜髪の魔法使い

35/105

46127人が本棚に入れています
本棚に追加
/1704ページ
リクは無表情だが後ろに炎のようなオーラが見えるような気がした。迸る視線の火花。意外と負けず嫌いなのかもしれない。 「少し待っていてください」 リクが凄まじい速さで『魔紙』を折り始める。あっという間に十羽出来上がった。 「帰るまでに全部落とせないでしょうね。貴方様の実力では」 安い挑発。レリオはその言葉にニヤリと笑い、構えた。 「てめーの実力じゃ、十じゃ足りねぇよ」 挑発を返すとリクもクスリと笑う。鶴が舞う。脚が踊る。 その日はドロシーが迎えに来るまで二人はずっと競いあっていた。 そして、ドロシーの学校の文化祭が終わって通常通りの練習内容に戻った時、その場には一人人間が増えていたのであった。 「リクちゃん、魔法でちょっと手伝ってくれる?」 「はい、ドーラさん」 「リッキー、ちょっと勉強教えてくんね?」 「……私が教えられるのでしょうか?」 因みに他二人との関係も良好である。
/1704ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46127人が本棚に入れています
本棚に追加