番外編・勇気の無い獅子と桜髪の魔法使い

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レリオはリクのことを友好的に思っている。こんなことをされればムカつくのは当然。 しかし、今レリオが感じているこのイラつきはそれとは全く別種の物だ。 そして、そのイラつきの理由は教室の扉を開けた時に明らかとなる。 「何だよ……何だよ、これ!?」 「綺麗な花でございますね」 リクのバカな発言などどうでもいい。リクの机の上に花瓶がこれ見よがしに置いてある事実。 レリオは周囲を見渡す。クスクスと笑っている女子が数名。 何も干渉せず何事も無いように過ごしている大半のクラスメイト。 「てめぇら……恥ずかしくねぇのか!?」 レリオは大声を張り上げる。それこそ隣に居るリクが驚く程の声量で。 クラス中の視線がレリオに向く。その中で話しかけて来たのは笑っていた女子だった。 「何よ、出来損ない。あんた誰に向かって口聞いてる訳?」 「あんたにゃ関係ないでしょ?」 「つーか、邪魔だから帰ってくんない?」
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