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「高校生か?」
「はい」
「君を乗せてきたあれは?」
「友人です」
「そうか……」
ふぅ、とオーズは溜め息をついた。
「この保護者あっての、あの子なのだな」
辛辣な言葉に辺りの雰囲気が凍った。
「校庭にバイクで入ってくるなど非常識極まりない。その髪の色も、実に下品だ」
普段ならばレリオは飛びかかっていただろう。ドロシーをバカにされて黙っていたくない。
しかし、二人の圧力がそれを許さなかった。
「バイクで侵入した件は非礼であると重々承知しております」
「では、何故」
「非礼をしても一秒でも早くここに来るべきと判断しました」
「……失礼。保護者とは言えど君は赤の他人の筈だ。どうしてそこまで言える?」
「血縁がある者を守る。それは当たり前のことです。だからこそ、わたしは赤の他人との深い繋がりを守りたいのです」
ドロシーはオーズから一切視線を逸らさない。反抗しているわけではない。レリオが萎縮する眼光をただただ受け止めている。
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