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「……髪については、反論はしないのか?」
「わたしのこれは地毛です。恥じるようなことは何一つありません。それに、」
ドロシーは僅かに笑う。口角をほんの少しだけ引き上げ、目を細める。
「これで怒ったりしたら『合格点』は貰えないでしょう?」
「……中々、強かな女性だ」
オーズは再び息を吐く。そして一回だけ頭を下げた。
「君は確かに『保護者』、であるようだ。試すような真似をしたことと、その髪を馬鹿にした発言を侘びよう」
「いえ、お構い無く」
「その髪、わたしは美しい色だと思うぞ」
「有り難うございます」
ちょっとだけ、空気が和んだ。ドロシーのコミュニケーション能力の高さが窺える。
「それで今回のことですが」
ドロシーが話を切り出した。そのまま深く頭を下げる。
「この度はわたしの監督不届きで娘さんに大怪我を負わせてしまい、すみませんでした。全ての責任はわたしにあります」
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