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「ハイエースくん。此方に来なさい」
突如目を向けられたレリオは一瞬怯むも言われた通りに動いた。そして、
パァン!!
平手打ちされた。勿論全力では無く子供に制裁を加えるそれ。
「この一発は、この女性に恥をかかせた『罰』だ」
そのままオーズは立ち上がると荷物を手に取った。
「これで手打ちにしよう。今度こそ、頭を上げてくれるな?」
「有り難うございました」
ようやく頭を上げたドロシーを見て、オーズはふっと笑った。
「願わくばわたしの娘も、君の様に育って欲しいものだ」
「光栄です」
その言葉を最後にオーズは職員室を去っていった。固まっていたレリオの手をドロシーが握る。
「今日はもう、帰ろっか」
いつものような優しい口調。優しい微笑み。今日はその優しさが、レリオの心に深く沁みた。
それからドロシーは職員に丁寧な挨拶してレリオを連れて校庭まで戻った。
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