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それどころかドロシーは頭を撫でる。レリオは困惑した。
「優しいなぁ、ドリーは。オレの母ちゃんなんて鉄拳一発飛んでくるぜ」
「わたしの筋力で鉄拳飛んだらどうなると思う?」
「なる」
やれやれと肩をすくめるカーシー。それを他所目にドロシーはレリオに小指を出した。
「レリオくん。お姉ちゃんと約束しよ」
「約束?」
指切りだと理解したレリオは小指をドロシーのそれに絡ませる。
「『サーバット』は自分勝手に使わないこと。さっきも言ったけど『自由』に使っちゃったら大変なことになるからさ。『自由』なんて、そんなに良いものじゃないんだよ」
コクンと頷くレリオ。
「指切りげんまん、嘘ついたら、金槌でぶっとーばす。指切った!」
「何で金槌……?」
「わたしの実家にでっかい金槌あるから」
「何じゃそりゃ」
笑うカーシー。笑うドロシー。それにつられてレリオもようやく笑った。
ビックリするくらい小さな笑いだったが。
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