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三年生の秋。学校帰りにドロシーとレリオは蹴りあっていた。
勿論喧嘩などではなく練習の一環。その様子を見守るカーシーとリク。
ドロシーが手加減しているので拮抗しているように見える。
しかし、レリオの攻撃は一回たりとも当たっていなかった。
上体を逸らして上手くかわされている。読めているのだ。ドロシーにはレリオの動きが。
ほぼ毎日動きを教わっているので当たり前と言えば当たり前なのだが。
それでも、レリオは一泡吹かせたくて必死に考える。
そうこうしている内にドロシーの前蹴りが飛んでくる。レリオは咄嗟に行動に移す。
「……な!」
レリオはドロシーの脚に、『乗った』。力が強いドロシーだから。体重が軽いレリオだから出来た芸当。
面食らったドロシーの目を視界に収めるとレリオはそのまま跳躍。
膝がドロシーの鳩尾に迫る。が、何年も『サーバット』をやってきたドロシーの対応力は並大抵ではない。
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