番外編・勇気の無い獅子と桜髪の魔法使い

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「ちくしょう……」 目覚めたレリオは開口一番そう言った。 「まだまだレリオくんには負けないよ。お姉ちゃんだから」 「理由になってねー……」 「そういやドリー。今年の文化祭はどうすんだ、あれ?」 「あれ、とは何でございますか?」 リクが首を傾げてカーシーに尋ねる。 「今年は世界政府が視察にくるらしいんだよ。学校側も強い生徒をアピールしたいから文化祭の中で『魔法格闘大会』が開かれることになってる」 「それにドーラさんが?」 「おう、誘われてた。な?」 二人の視線がドロシーに向く。ドロシーは苦笑い。 「うん。出てくれーって言われたんだけど、断っちゃった」 「えー、何で?」 「わたし進学志望だし。世界政府に行きたいわけじゃないのに参加したら迷惑じゃん」 「そんな深く考えなくてもいいと思うけどな」 肩をすくめるカーシーを尻目にレリオが言葉を発する。 「出てくれよ」 「え?」 「オレ、姉ちゃんが闘ってるところ見てぇ」
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