番外編・勇気の無い獅子と桜髪の魔法使い

55/105
前へ
/1704ページ
次へ
「レリオくん、もう来たの!?」 関係者ということで参加者の控え室に通してもらった三人は試合用の服に着替えていたドロシーと会っていた。 いつもの素っ気ない格好よりかは華やかな服装である。 身が重くなるのを嫌っているのか防御力は薄そうだが。 「駄目だったか?」 「ううん、驚いただけ」 すぐにドロシーは笑顔を作って対応する。レリオは憮然とした態度だった。 「どうなんだよ、調子は」 「悪くないかなー。わたし生まれてこのかた緊張したことないし」 確かにストレスと無縁そうな性格をしている。羨ましい限りである。 「随分と余裕そうですね、先輩」 その態度に不快を覚える人間も確かに居る。 「こんなところに子供を連れてくるなんて、お遊戯気分ですか?」 「……姉ちゃん、誰コイツ」 「…………小学校一緒だったっけ?」 「………貴女の一回戦の相手です」 青筋を浮かべていたのは恐らく気のせいではない。
/1704ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46127人が本棚に入れています
本棚に追加