番外編・勇気の無い獅子と桜髪の魔法使い

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「あー、そうだったごめん、ごめん」 アハハハと笑いながらドロシーはその男に手を伸ばした。 「何ですか、それ?」 「握手。殺し合いじゃなくて試合だし、仲良くやろうよ」 「……本当に気楽でいいですね、貴女は」 溜め息をつきながらも握手に応じる男。 「僕はこの試合で世界政府に認めて貰う。そんな気もない先輩に負ける訳にはいかない」 「その気があるかどうかで勝敗は決まらない。それとも、わざと負けてほしいってことかな?それなら了承しないよ」 その言葉に男は苦笑する。 「まさか。ただ、全力で倒させて貰いますので相応の覚悟はしておいて下さい」 「覚悟?」 「ドロシー・スグリー。18歳。ジア皇国出身の鬼族」 男はつらつらとドロシーの情報を話し始めた。 「身長158センチ。血液型A型。右利き。戦闘方法は魔法強化を加えた蹴り技主体の格闘技サーバット」 「……よく調べたね」 「『対策』は練らせて貰ってますよ」
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