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「残念」
「…………」
舌舐めずりをするトットに何も返さないドロシー。
「すげぇ……!」
それをレリオは目を輝かせて見ていた。今のドロシーの動き、レリオが見てきた物と次元が違ったから。
普段のドロシーがいかにレリオにレベルを合わせてくれていたかよく分かった。
「今の攻防、どう思うねガランくん」
ふと、レリオの後ろから声が聞こえる。
「『鬼族』って触れ込みは伊達じゃないっすね。ウェイカーの旦那が見たら歓喜しそうっすよ」
振り向くと中年の男と若い男が話していた。
「ほう、それほどの者か」
「はい。蹴りの威力もさることながら、それを自力で止められる体幹。それにあの柔軟性。普段から鍛えてる証拠っす」
一息置いて。
「それだけに、あの一年生との相性は最悪っすね。『鬼族』共通の弱点っすけど、搦め手に弱いっす」
その言葉に、レリオはカチンと来た。
「姉ちゃんはまだ本気じゃねぇ!」
「お?」
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