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「そりゃ悪かった」
「あんたは見ねぇのか?」
「ああ」
ガランは苦笑しながら答える。
「上にこのことを報告しなくちゃいけねぇからな。近い内にスカウトを寄越すさ。それに、あの『鬼族娘』の優勝は決まったみてぇなもんだ。見る必要もねぇだろ」
「……まぁ、そうだけど」
「良い姉を持ったな」
ポンポンと頭を叩いてガランは去った。
「何だったんだ、あいつ……?」
不審に思いながらもレリオはトイレを探しに校舎に向かおうとして、
「動くな」
「……っ!」
いきなり首元に魔力の刃を突き付けられた。周りに人は居るが距離が近い為か誰も気付いていない。
「今から言う通りに歩け。逆らえば、一生歩けない身体にしてやる」
レリオは僅かに首を動かし、視界に脅迫してきた人物を捉える。
その人物は、自分の母親と似たような醜い瞳をした男。
「何か、口答えでもあるか?」
トット。ドロシーが一回戦で下した相手だった。
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