番外編・勇気の無い獅子と桜髪の魔法使い

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これからはこういうことに積極的に参加しても良いかもしれない。そう思えるくらいには。 そう考えているとドロシーの携帯が鳴った。カーシー達がレリオを見つけたのかと楽観的に構えていたドロシーはそれを見て凍り付く。 届いたのは画像付きのメール。本文は短い。 『旧校舎二階一番奥の教室。一人で来い』 添付されていたのは、身体中傷だらけのレリオがロープで椅子に拘束されている画像だった。 ドロシーはすぐ立ち上がって控室から姿を消した。 その日の魔法格闘大会は、決勝戦不戦勝という煮え切らない形で幕を下ろした。 * 「さて……」 メールを送り終えたトットはレリオと向き合う。 「これで上手いこと行ってくれればいいが……」 「…………」 レリオは、喋れない。口の中が血塗れになる程痛め付けられた。 ドロシーと共に鍛えてきた。それなりに戦える自信もあった。だが、体格が違いすぎる。
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