番外編・勇気の無い獅子と桜髪の魔法使い

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片足を奪われたドロシーの機動力は大幅に落ちる。 「動くな!」 トットは『鋼』の『魔手』を拘束しているレリオに伸ばす。 「これ以上抵抗すれば、この手であいつをぶん殴る」 「っ……!」 「両手を上げろ。妙な真似をした瞬間オレはやる」 ドロシーは大人しく両手を上げ、魔法強化を解く。 「トットくん、だね。さっきと随分口調が違うみたいだけど」 「もうあんたの前で猫被る必要は無いからな」 「どういうつもり?何でこんなことするの?」 ドロシーの目が今まで見たことないくらい殺気立っている。その視線を鼻で笑いながらトットは告げる。 「気に食わねぇ」 「……はい?」 「オレは貴族でも何でもねぇ。ただの一般人だ。そんな一般人が偉くなるには、実績がいる」 「……それが?」 「お前はそのオレの実績をただのお祭り気分で傷をつけた。絶対に許さねぇ」 ドロシーは小さく溜め息をついた。 「それだけのことで、君はレリオくんを傷付けたの?」
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