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「弱……点?」
レリオが弱々しい声を出すとトットは嘲笑した。
「てめえは弟のくせにそんなことも知らねぇのか?『鬼族』の女は小さな身体で怪力になる代償として、身体の一部分を触られると力が入らなくなる『弱点』が存在するんだ」
そう言われてレリオはドロシーと出会った時のことを思い出した。
確かに、ドロシーはある部分は触らないようにレリオに言い聞かせている。
「姉ちゃん……言うな!」
それを知られることがどういうことか理解したレリオは弱っているのにも関わらず大声を出した。
「レリオくん……」
「オレのことは見捨てて逃げろ!どうせオレは姉ちゃんに拾われた身だ!迷惑かけてまで生きたくねぇ!」
「うるせぇ」
『鋼』の手がレリオの身体に突き刺さる。歯が折れ、鼻血を垂らしながら、椅子に拘束されたレリオはひっくり返った。
「今はオレとドロシーが話をしているんだ。お前は人質として殺さないようにするのに骨が折れる。手を煩わせないでくれよ」
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