番外編・勇気の無い獅子と桜髪の魔法使い

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「演技じゃ、ねぇみてぇだな」 『鋼』も解いて近寄るとトットは拘束具を取り出す。 『鬼族』専用の拘束具。それをしっかりとドロシーの『弱点』につけた。 「アハ、ハハハハ!!」 瞬間、トットは高笑いをした。勝ち誇ったような下品な笑い声。 「これであんたはオレの物だ!もう偉そうな口は叩けねぇ!」 「………んは」 「あ?」 脱力しながらも懸命にドロシーは言葉を紡ぐ。 「これで、レリオくんには手を出さないでくれるよね……?」 あくまでも他人の心配をするドロシー。トットは少し考えて答える。 「そんなこと約束した覚えはない」 「なっ!」 「約束してたとしても、奴隷との約束を果たす義理はないな」 「そんな……!」 「まぁ、それは置いといてだ。ドロシー。辛そうだな」 トットはドロシーを仰向けにしてその上に覆い被さった。 「『鬼族』の『弱点』は欠陥では無く、子孫を残す為にあるらしいな。正に生命の神秘だ」 「何、を……」 「その生命の神秘。オレが手伝ってやるよ」 トットはドロシーの服を力ずくで破り始めた。 * レリオはその時のことをよく覚えていない。しかし、耳の中に鮮明に残っている。 それは、「見ないで」というドロシーの悲痛の叫びと行為中にトットが浴びせた酷い罵声。
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