番外編・勇気の無い獅子と桜髪の魔法使い

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もう一つは戦う。レリオはまだ覚醒したばかりで力の扱いに慣れていない。 言ってしまえば魔法に関してはド素人。強大なる兵器を説明書読んだだけで扱っているようなもの。 経験はトットの方が上。勝つ算段は充分にある。それに、レリオを殺せばリターンが大きい。 暴走した『異端』を仕留めた英雄。『鬼』を従えてもいる。あっという間に人生の勝者だ。 そういった理由でトットはその場に留まった。 『柔』で捕まえても感電させられる。トットは変換魔法で『柔』を『鋼』に変えた。両手が『鋼』の『魔手』。 しかし、トットのこの判断は間違っていたと言わざるを得ない。 魔法を撃つのを辞めたレリオは新たな試みに移っていた。 それはドロシーの『桜花』。あれほど繊細には出来ないものの、身体中に雷が流れていく。 自身の魔法で自身が傷付くが、『そんなこと』はどうでもいい。 不格好ではあるが、それは『異端強化』になる。つまり、不完全だが後にそれは『雷神化』と呼ばれる魔法。
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