番外編・勇気の無い獅子と桜髪の魔法使い

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しかし、『そんなこと』はレリオにとってはどうでもいい。 再び構えたレリオに恐怖し、トットは『魔手』をガードに使う。 まだ制御出来ていないといえ知覚出来ない速さで体当たりでもされたら大ダメージは避けられないからだ。 しかし、その行動は自分の視野を狭めることとなる。そのせいでレリオの攻撃に反応出来なかった。 ミシィ、とトットの腕から鈍い音が響く。トットは思わず仰け反る。 トットの腕には椅子がめり込んでいた。元は教室なので机と椅子は沢山ある。 レリオはそれを『雷神化』状態の腕力で投げた。魔力を持たない物質は『魔手』を素通りする。 その隙にレリオは跳躍。鍛えられたバランス感覚を活用し身体を半回転させ天井に足をつける。 姿を見失っていると確認するとレリオは天井を蹴ってトットに迫る。 担いできた机の足をトットに向ける。トットは、防御が間に合わない。 「ぐああああ!!!」 両肩、両足に机の足が突き刺さる。そのまま足は木製の床にめり込みトットを拘束した。
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