番外編・勇気の無い獅子と桜髪の魔法使い

83/105
前へ
/1704ページ
次へ
レリオはトットを見下ろす。その目に、トットは恐怖した。 「死ね」 今まで脅しでそんな言葉を吐いてきた人物は腐る程居ただろう。しかし、レリオのその言葉には確かな重みがあった。 その言葉通りに、レリオは『雷神化』状態で足を振り上げた。その時、 「ここかぁ!?」 新たな乱入者が登場した。バイクに跨がった男、カーシーが教室の扉を前輪でぶち壊す。 冷めていたレリオの目に、若干動揺が生まれた。 「カーシー、何でここに?」 「お前とドリーが急に居なくなったから探してたんだよ……って何だこの状況……ってドリー!?」 色々と忙しく顔を動かしたカーシーはすぐにドロシーの元に駆け寄った。 「お前、何だよその格好!?」 「ハハハ……ちょっと、ドジ、っちゃって…」 こんな時でも笑顔を絶やさないドロシー。しかし、笑い声は少し渇いて聞こえた。 「着てろ!」 学生服を脱ぎ捨ててカーシーは地面に拘束されているトットを睨み付ける。
/1704ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46127人が本棚に入れています
本棚に追加