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「オーケー、大体の事情は把握した」
カーシーはトットに近付こうとした。それをレリオが遮る。
「何するつもりだ、カーシー」
「机を引っこ抜く。で、校舎から出る。話はそれからだ」
「ふざけんな」
今度は明確に、レリオはカーシーと対立した。
「こいつは生かしておかねぇ。オレがぶっ殺す」
「……何でだ?」
「見りゃわかんだろ。あいつが姉ちゃんを傷付けたからだ」
はぁ、と溜め息をつくカーシー。
「だからてめぇはいつまでたってもガキなんだ」
「『脳無し』が何を……」
「『友達が傷付いたから代わりに自分が仇を取る』。それはお前が去年リッキーにやったことだろ」
「…………!」
「その時のことを、お前は反省も後悔もしてねぇのか」
その言葉に、レリオは僅かに怯む。
「こいつを殺したい気持ちは分かる。だが、それは『やりすぎ』だ。そんな『自由』、許せるかよ」
俯いたレリオにカーシーはゆっくりと歩み寄った。
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