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「それに、オレはお前の為にも言っている」
「……何?」
「政府に保護されるまでに、暴走した『異端』が人を殺した場合、どんなガキだろうが処刑する決まりになってる」
「……っ!」
レリオはそれを知っていた。だが、言葉にされると、大きい。レリオの動きが止まる。
「それでもいいならオレを止めて続きをやれ」
「『処刑』……」
レリオの身体が小さく震えた。その様子を見たカーシーはレリオの隣を通り過ぎる。説得に応じてくれたと。
「『そんなこと』は、どうでもいい」
勘違いをして。
「………あ?」
カーシーの脇腹にレリオの蹴りが突き刺さる。悲鳴を上げる暇も無く、カーシーは吹っ飛んだ。
自身のバイクに激突して見事なまでにぶっ壊れる。
「この野郎……!姉弟揃ってぶっ壊しやがって……!」
カーシーは根性で立とうとするが、膝から崩れ落ちる。
あばらの骨折は重傷である。痛みを何らかの方法で抑えなければ、動くことなど出来ない。
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