番外編・勇気の無い獅子と桜髪の魔法使い

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* 『雷神化』しているレリオのスピードにはいかに『桜花・満開』だろうが追い付けない。 レリオは簡単にドロシーの後ろを取る。脇腹に目掛けて蹴りが飛ぶ。 しかし、レリオに『サーバット』を教えたのはドロシー。それに今のレリオは自身の速さに振り回されている。 「甘い!」 ドロシーはそれを読んでかがんでかわす。すかさずのカウンターをレリオは超反応で避ける。 当たらない。互角の戦闘。ドロシーが『異端』と張り合っている。 ドロシーの口元が歪んでいる。レリオがここまで戦えるようになったことを喜ぶように。教え子がどんどん成長していくことを喜ぶように。 その気持ちをレリオも感じとる。どう攻めればドロシーの上を行けるのか、思考が加速していく。 いつしかレリオの中の殺意は驚く程小さくなっていった。 ドロシーは何も語らなかった。レリオも語らなかった。 三年間一緒に居た二人であれば、言葉など無くても気持ちは伝わる。
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