46127人が本棚に入れています
本棚に追加
*
『雷神化』しているレリオのスピードにはいかに『桜花・満開』だろうが追い付けない。
レリオは簡単にドロシーの後ろを取る。脇腹に目掛けて蹴りが飛ぶ。
しかし、レリオに『サーバット』を教えたのはドロシー。それに今のレリオは自身の速さに振り回されている。
「甘い!」
ドロシーはそれを読んでかがんでかわす。すかさずのカウンターをレリオは超反応で避ける。
当たらない。互角の戦闘。ドロシーが『異端』と張り合っている。
ドロシーの口元が歪んでいる。レリオがここまで戦えるようになったことを喜ぶように。教え子がどんどん成長していくことを喜ぶように。
その気持ちをレリオも感じとる。どう攻めればドロシーの上を行けるのか、思考が加速していく。
いつしかレリオの中の殺意は驚く程小さくなっていった。
ドロシーは何も語らなかった。レリオも語らなかった。
三年間一緒に居た二人であれば、言葉など無くても気持ちは伝わる。
最初のコメントを投稿しよう!