46127人が本棚に入れています
本棚に追加
レリオが左腕を伸ばす。『稲光』の魔法が飛びドロシーを襲う。
『桜花』の力で易々と避けるドロシー。レリオに接近を試みる。
レリオは二発目を撃つ構え。ドロシーは避けられるようにじっくりと観察する。
「『雷光』!」
しかし、レリオの魔法は飛んで来なかった。その代わりに、爆ぜる。
雷を思わせる大きな光は部屋中を急速に照らしドロシーの視界を奪う。
反射的に腕を前に持ってきたドロシーの被害は比較的小さいが、はっきりと前が見えなかった。
ドロシーはレリオの思考を読む。この状況、レリオならどうするか。
レリオは生意気だが強かな人間である。勝率が少しでも高い方法を取る筈。
ならば、狙ってくるのは背後か死角である上。
そう判断したドロシーはレリオが居た方向に転がり込む。
直後、ドロシーの後ろでけたたましい音が響いた。『落雷』の魔法。ドロシーの読み通りだった。
いかに『異端』とは言えど『雷』ならば空中を自在には動けない。ドロシーはこれを好機と見て振り返り突撃する。
最初のコメントを投稿しよう!