番外編・勇気の無い獅子と桜髪の魔法使い

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レリオが左腕を伸ばす。『稲光』の魔法が飛びドロシーを襲う。 『桜花』の力で易々と避けるドロシー。レリオに接近を試みる。 レリオは二発目を撃つ構え。ドロシーは避けられるようにじっくりと観察する。 「『雷光』!」 しかし、レリオの魔法は飛んで来なかった。その代わりに、爆ぜる。 雷を思わせる大きな光は部屋中を急速に照らしドロシーの視界を奪う。 反射的に腕を前に持ってきたドロシーの被害は比較的小さいが、はっきりと前が見えなかった。 ドロシーはレリオの思考を読む。この状況、レリオならどうするか。 レリオは生意気だが強かな人間である。勝率が少しでも高い方法を取る筈。 ならば、狙ってくるのは背後か死角である上。 そう判断したドロシーはレリオが居た方向に転がり込む。 直後、ドロシーの後ろでけたたましい音が響いた。『落雷』の魔法。ドロシーの読み通りだった。 いかに『異端』とは言えど『雷』ならば空中を自在には動けない。ドロシーはこれを好機と見て振り返り突撃する。
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