番外編・勇気の無い獅子と桜髪の魔法使い

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レリオも空中で態勢を整え迎撃を試みる。 床に着地すると同時に前傾姿勢のドロシー目掛けて蹴り。 『雷神化』による肉体強化。当たればただでは済まない。 ドロシーの勢いは止まることは無い。当たる。レリオは勝利を確信する。が、 「なっ!」 避けられたわけではない。しかし、受けられた。 前傾姿勢のまま跳躍したドロシーは脇をひろげ、そこでレリオの蹴りを受け止めた。 衝撃で肩が外れたがしっかりとホールドしている。 『サーバット』において腕とは攻撃手段や防御手段ではない。機動手段である。 バランスを整え、身体を支え、時には相手を利用する。 ドロシーは受け止めた足を起点に回転する。その勢いでドロシーの膝がレリオのこめかみに突き刺さった。 一瞬、レリオの意識が飛んだことで『雷神化』が解ける。 右手を使って綺麗に受身をとったドロシーは追撃をしようと立ち上がろうとした。 しかし、立てなかった。
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