番外編・勇気の無い獅子と桜髪の魔法使い

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レリオは必死に呼び掛ける。しかし、それ以上ドロシーから返事が返ってくることは無かった。 そして、状況に変化が訪れる。 辺りが火に囲まれていた。 トットとの戦闘。そしてドロシーに撃った『落雷』。強大な『異端』の力に木造の教室は耐えられなかった。 「姉ちゃん……!」 レリオはそんなことお構い無しに這ってドロシーのところに向かう。 事実を否定したいが為に、ただそれだけの為に。 「もっと丁重に扱え!痛たたた!」 「贅沢なこと言ってんじゃねぇよ、クズ」 聞き慣れた声が近付いてくる。 「よぅ、レリオ。何処に行く気だ?」 「カーシー……姉ちゃんを」 レリオが戦っている間に立ち直り、机を引っこ抜いたらしいカーシーはレリオを見下ろしていた。 片手で動けないトットを引き摺っている。 「姉ちゃんを、助けてくれ……!」 「………そいつは出来ねぇ」 カーシーは無情に首を振った。
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