銃王姫と二丁拳銃

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殺気を向けていないのでリースは気付いてないらしい。 至極真面目な顔で『ツインバレル』に弾を込めている。 その手際はかなり良く早い。その事実にニーナはほっとする。 少なくとも銃を全く触ったことがないということは無さそうだ。『ツインバレル』にも銃としての機能がある。 だから、安心していた。ウェインの話の信憑性が増したと。テスターの話は嘘だったのだと。 ニーナは自分でも頬が緩むのが分かる。リースが構えた。 ほら、あの構えだって堂に入っているではないか。多少は変なところはあるが個人差の範囲だ。 良かった、とニーナは今まで疑った恥を反省する。謝ろうとも思った。心配して損したとも。 そんな希望をあっさりと、リースの弾丸が打ち砕いた。 発砲。発砲。連続発砲。『ツインバレル』に込めた銃弾を全て吐き出す。 その銃弾はニーナの希望とは裏腹に、一発も的に掠りさえしなかった。
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