番外編・勇気の無い獅子と桜髪の魔法使い

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「オレは、ドリーの『遺志』を継がなきゃならねぇ。あいつを、無駄死にはさせたくねぇ」 カーシーは空いた片手でレリオを捕まえる。軽いレリオは簡単に持ち上がった。 「よく見ろ」 レリオは辺りを見て予想以上に火が広がっていることに気付いた。 出入口、窓側が全て火に覆われている。脱出など出来そうにない。 「これ、どうすれば……!」 「こうする」 カーシーは肉体強化を使って、トットを窓に放り投げた。 「うわああああ!!!」 ドロシーが割った窓からトットが飛び出て落下していく。 「下にはリッキーが待機してる。あいつは知らねぇが、お前は受け止めてくれるだろうよ」 「お前……!」 レリオは気が付いていた。確かにこの方法ならば脱出することが出来る。 「心配すんな。ドリーから後始末頼まれてる気がする。そういうオレの我が儘だからよ」 カーシーは助からない。 「一人旅は寂しいもんだ。二人いりゃマシになる。オレは、ドリーについてくわ」
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