銃王姫と二丁拳銃

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「………え?」 思わず声が漏れる。その声でリースがニーナに気付いた。 「お早うございます。今日は早いですね」 再び弾を込め直し、リースは『ツインバレル』を腰に吊った。 ニーナの思考が混乱する。 外した。リースが。狙撃手としては短すぎる距離で。 それは何を意味する?決まっている。ウェインの仮説が全て引っくり返ったのであれば、 正しいのは、テスター。 「ああああああああ!!!!」 心の底から、失望したような、絶望したような叫び声を上げてニーナは階段をかけあがった。 「どうした、ニーナ!」 階段を上りきるとシモンが居る。気持ち悪い。シモンは洗脳されている。 その事実が、帰ってきてから今までの行動が全て洗脳されているものだと理解する。 欺瞞。偽証。上っ面。演技。もうシモンの言葉はニーナには届かない。 ニーナは行く宛も無く全速力で家を飛び出した。
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