銃王姫と二丁拳銃

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「どうしたんです?」 その心に、まとわりつく様に侵入してくるテスター。呆然としているニーナはただ返すだけ。 「君が、正しかった」 「ふむ。それから察するに昨日の悪女の話ですかねぇ?」 ニーナの顔を面白そうに見つめるテスター。 「でも、所詮それが人間ですよ」 「……どういうこと」 「人間は善意と悪意で構成されているというのが僕の持論でしてね。それで生き残るのは必ず悪意なんですよ」 ニーナが、引っ張られる。地の底に。堕ちていく。 「だってそうでしょう?自分さえよければどうでもいいという悪意と、他人に気を回さなければならない善意。どう見ても前者が有利だ。比べるまでもない」 「……………」 「この世は悪意の方が強い。悪意の方が多い。弱肉強食。勝てば王軍。つまり、『悪意こそが正義』だ」 「……………」 「貴女は何になりたいんです?これまで頑張ってきたのは『正義感』があったからでしょう?」
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