銃王姫と二丁拳銃

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そんなはずはない。そんな現実認められるわけがない。 しかし、ニーナの思考は今まで全て裏目に出ていた。 そうなっているかもしれない。否、ほぼそうなっているだろうという思考の負の連鎖に囚われている。 テスターに反抗出来たのは支えがあったから。それが無ければ飛ぶことすら出来ない隼。 ニーナがウェインの武器屋に辿り着く。店主の姿が見えなかったがそんなこと構ってられない。 工房への扉を勢いよく開ける。そこには 「ニーナ……」 一丁の拳銃を手に持って佇んでいるウェインの姿があった。 「ウェイン!良かった、まだ生きて―」 ハァハァ息を切らせながら一瞬胸を撫で下ろすニーナ。しかし、それは一歩工房に踏み込んだ途端弾けとんだ。 それは、死臭。血の匂い。ニーナがそちらに目を向けると。 全身に弾丸を撃ち込まれ、苦痛の表情で目を見開いたまま死んでいるサルフがいた。
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