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応接間の扉の向こうから愚痴のような声が聞こえる。
「まぁまぁ、この件を解決していただけたら前向きに検討しますので」
「相変わらず適当だなぁ」
扉が開く。そこに居たのは、白衣を来た背が高い割には細身の女性だった。
「やぁ。君がニーナ・H・ファルコンだね?」
「……貴女は?」
「僕はフロウ・スターナリア。ここで魔法原理学を研究している」
フロウはここまで連れてきてくれたであろう政府の人間に立ち去るように指示した。扉を閉める。
「何を言われようが、わたしは変わらない」
ニーナは最初にそう宣言した。
「うん。そうだろうね」
フロウはあっさりと肯定した。
「僕も初めに言うよ。僕は魔法学者であって医者じゃない。君を治すことは九割八分無理だろうね」
フロウは座った。ニーナの対面のソファーでは無く、隣に。
「正直に言えばここに来たのはただの暇潰しさ。毎日毎日研究じゃ疲れるからね」
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