46125人が本棚に入れています
本棚に追加
「オレはあんたが食べているのを見ている!」
「オレは食ってない!」
「伝票も置いてあるだろ!世界政府の人間として恥ずかしくないのか!?」
店主の言い分は尤もだ。世界政府の人間は舌打ちしながら金を払っていた。
周りの目もある。そうせざるを得なかったのだろう。
「不憫な奴……」
「そうだね」
独り言のつもりだったのだが隣の人間に賛同されてしまった。
「今更金を払ったところで『世界政府がタダ食いをしようとした』という事実は拭えないわけだし」
「そうだな」
「ところで君。あの世界政府の彼、本当にタダ食いしようとしたと思うかい?」
そう聞かれてライは観察する。
「まぁ、違うだろうな」
「根拠は?」
「ここは大衆の食堂。こんな場所で世界政府の奴がタダ食いするなんてリスクが高い」
それにやると決めていたとしてもあまりにもやり方が雑だ。店主にも見られてるし。
と、なれば誰かに押し付けられたと考える方が自然。
最初のコメントを投稿しよう!