飛翔の町

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「オレはあんたが食べているのを見ている!」 「オレは食ってない!」 「伝票も置いてあるだろ!世界政府の人間として恥ずかしくないのか!?」 店主の言い分は尤もだ。世界政府の人間は舌打ちしながら金を払っていた。 周りの目もある。そうせざるを得なかったのだろう。 「不憫な奴……」 「そうだね」 独り言のつもりだったのだが隣の人間に賛同されてしまった。 「今更金を払ったところで『世界政府がタダ食いをしようとした』という事実は拭えないわけだし」 「そうだな」 「ところで君。あの世界政府の彼、本当にタダ食いしようとしたと思うかい?」 そう聞かれてライは観察する。 「まぁ、違うだろうな」 「根拠は?」 「ここは大衆の食堂。こんな場所で世界政府の奴がタダ食いするなんてリスクが高い」 それにやると決めていたとしてもあまりにもやり方が雑だ。店主にも見られてるし。 と、なれば誰かに押し付けられたと考える方が自然。
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