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「……僕、今までに君に会ったことないはずだけど」
「ああ、会ったことない」
意味が分からないといった顔を浮かべるフロウ。セリスは鼻で笑った。
「フロウとやら。お前の今の身長はいくつだ?」
「え?えーと、たしか173くらいだったかな。伸びてなかったら」
「わたしと10以上違うな。そんなに違ったのか」
「僕はサンダーバード後輩よりも大きいからね。白衣も男性用のものを使っている。不便なものだよ」
最後の言葉がセリスの逆鱗に触れた。
「わたしよりも23も大きいくせして不便、だと?」
「セリス150あったのか…」
「僕の目測だと149.7くらいだね。見栄張ったんじゃないかな?」
火に油を樽ごと投げ付ける二人。
「まぁ背の高さくらい気にするな。小さい方が良いこともあるだろ」
「いつか全員ハンマーでぶっ叩いて縮めてやる……」
手を出すのは我慢するセリス。そんなセリスの肩に手を置いてフロウは言った。
「小さくて巨乳だから、アダ名は『手乗り巨乳ちゃん』で良いかな?」
「……ファックィル!」
フロウのアダ名のセンスが誰かさんと同じだと分かったのは、宿屋の部屋の運命が半壊に決まった時だった。
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