飛翔の町

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そう考えれば見られたことも世界政府の人間のあの様子も説明がつく。 「君は手段は見ないんだね」 「過程は後で考えればいい。大事なのは結果だ」 「なら僕はその過程を考えてみようかな」 横に居た男は得意気にその推理を披露しはじめた。 「恐らく犯人は位置を誤認させた。視線誘導のテクニックだ。それを魔法でやったのさ。 まずは普通に物を頼む。それで自分の姿をあの世界政府の人間に変えつつその人間の席で食べているかのように誤認させるわけだ。 後は店内の意識を少しずつ自分から消していき、姿も魔法で消す。世界政府の人間の意識を逸らし不意を見て空き皿と伝票を置いて退場、というわけさ どうだい、僕の推理は?」 「………夢物語が過ぎるな」 「このくらいの方が面白くないかい?」 男は笑う。真面目な推理なのかイマイチ分からない。 「ならその推理をあの怒ってる世界政府の奴に言ってきたらどうだ?聞いてくれるかもしれないぜ?」 とりあえず冗談を言って様子を見ることにした。 「嫌だよ。本当のこと言ったら僕が捕まるじゃないか」 「犯人お前かよ!?」 推理でも何でもなかった。
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