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「なら誰にも言うな。あの飛行機は近々飛ぶ。それまで他人に話すな」
「嫌だと言ったら?」
「ぶっ飛ばしてやる」
「それは怖いね」
クスクスと笑うフロウ。
「嫌だ」
セリスのハンマーがフロウの細い体躯にめり込む。
「?」
しかし手応えがない。まるで空を切ったかの如くハンマーは一回転する。
「やっぱり手が早いね」
何事も無かったかのようにフロウがスタスタと歩いてくる。
「お前、わたしに何をした?」
「さぁ?何をやったんだろうね?」
セリスはこれ以上長引かせてはならないと自分から仕掛けようとする。が、
「ほら、もっと力を抜いて話し合おうよ」
突然何の前触れもなくお尻を撫でられた。ビクッと身体を震わせながらセリスは後方に蹴りを放つ。空振り。
「何処を蹴ってるんだい?」
今度は左から声。ハンマーを向けるもやはり誰も居ない。
「前がお留守だけど?」
スタスタとゆっくり歩くフロウにセリスはハンマーを叩き付けた。
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