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「一度関わったんだ。そうそう見捨てることなんて出来るか」
「君がそう言おうと結果は変わらないよ。僕はこれを世界政府に伝える。その前に逃げろと言ってるんだ」
「………本当にお前はライの先輩か?」
ここにきてセリスは疑い始めた。
「どうしてだい?」
「ライなら、助ける」
「そうかもしれないね。でも、僕はサンダーバード後輩じゃない。生きる為なら、他人くらい平気で見捨てるよ」
「てめぇ……」
「僕は正義のヒーローじゃない。勿論サンダーバード後輩もね?誰もが幸せな世界なんて作れないんだから。それこそ歪んだ世界だよ」
フロウは客観的に物事を見る。人が生きる為に他人を犠牲にする。これは日常的に行われていることだ。
人類が皆平等なら優秀な人間など存在してはならなくなる。
だから見捨てる。今回は、偶々それが知り合いの知り合いだったというだけの話。
これはフロウが狂っているわけではない。知らない人間を犠牲にするのが、普通の人間だ。
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