続・飛翔の町

37/93
前へ
/1704ページ
次へ
「一度関わったんだ。そうそう見捨てることなんて出来るか」 「君がそう言おうと結果は変わらないよ。僕はこれを世界政府に伝える。その前に逃げろと言ってるんだ」 「………本当にお前はライの先輩か?」 ここにきてセリスは疑い始めた。 「どうしてだい?」 「ライなら、助ける」 「そうかもしれないね。でも、僕はサンダーバード後輩じゃない。生きる為なら、他人くらい平気で見捨てるよ」 「てめぇ……」 「僕は正義のヒーローじゃない。勿論サンダーバード後輩もね?誰もが幸せな世界なんて作れないんだから。それこそ歪んだ世界だよ」 フロウは客観的に物事を見る。人が生きる為に他人を犠牲にする。これは日常的に行われていることだ。 人類が皆平等なら優秀な人間など存在してはならなくなる。 だから見捨てる。今回は、偶々それが知り合いの知り合いだったというだけの話。 これはフロウが狂っているわけではない。知らない人間を犠牲にするのが、普通の人間だ。
/1704ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46125人が本棚に入れています
本棚に追加