飛翔の町

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「シモン・ヘイホー、という男を君は知っているかい?」 フロウが話を切り出した。 「半世紀くらい前に活躍した世界政府の狙撃兵だったか?確か、『銃王』だか何だかっていう異名のある」 歴史に余り興味のないライはあやふやな知識を引っ張り出す。 「そう。その『銃王』シモン・ヘイホーなんだけどね。今この町に来てるんだ」 「はい?もう七十は越えてるジジイだろ?」 ライは何となく置き引きにあった老人を思い出した。 「いやいや、長年狙撃兵をやっていた実力は大したものでね。近接は僕と同じでからっきしみたいだけど」 「何でそんな軍人がここに?先輩を追ってきたのか?」 「まさか。居場所がバレるようなヘマはしないよ。死にたくないからね」 ということはシモンがナダに居るのは別件だと推測出来る。 「まぁ理由はどうにしろ問題はこの町にシモンが居ることなんだ」 「どういうことだ?」 「シモン・ヘイホーは洞察力が凄い。実は二日程前に僕は見つかってる」
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