歪んだ正義２

続・飛翔の町

しかし、ただ悪女だから。そんな理由で全てを片付けても良いものか。

フロウの行動は大概滅茶苦茶だが、そこには一応目的がある。

要は筋道はちゃんとあって、それを達成する為の忠実な行動を取るだけで。

今の状況。傍目から見れば『飛行機』を飛ばすことが目的に見える。

しかし、それはないとニーナの直感が告げる。

『飛行機』は禁じられているとはいえそれは素晴らしい技術の塊なのだろう。

魔法が入り込む余地がなく、ニーナも少し惹かれる鋼鉄の塊。

断言してもいい。フロウは『飛行機』には全く興味がない。

そして興味がない物にこんな多大な時間を割くほどフロウは優しい人間じゃないことをニーナは知っている。

この騒動はあくまでも餌。その先の目的が必ずある。それを逆算する。

フロウはこの状況を作り出したかったのではないのか？

そんな考えに思い至る。フロウならばこのような騒ぎが起きれば自衛軍が分散することを読む筈。