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ミナツはカロス家の外壁にもたれてあくびをしていた。
「暇だな……」
(気が合うな)
本来ならチフユも夢の世界で好き放題やってるのだろうが戦いになるかもと言ったら律儀に気を配っている。
別に敵が来ていない訳ではない。少数ではあるが来ている。しかし―
「ただいま、と」
「おかえり。……何人だったか覚えているか?」
「まだ五人目だな」
ライが全て片付けてしまうのだ。というより、この夜の中ロクに音も立てずに敵を無力化していく様子は恐怖すら覚える。
気配はミナツが拾っているとはいえマコトの血を確かに感じさせる。
「まだ偵察部隊みたいだな。流石に手応えが無さすぎる」
「情報は流れてないのか?」
「いや、ただの確認だろ。その内戦闘用の人間が―」
ヒュッ
パシッ
「―来るさ」
「成る程な」
ミナツは飛んできた矢を掴んで止めていた。
「場所、分かるか?」
「分からない。銃ならまだ音と光で分かるんだが」
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