続・飛翔の町

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どっかの誰かと違って投げられた石はチフユの思い描いたコースを飛ぶ。 「うぉぉ!!」 小さな悲鳴とともに着弾。否、着石の音。ドゴッというとても石がぶつかったとは思えない音。 チフユがゆっくりと歩いていくと石が突き刺さった木の横で腰を抜かしている太めの男性が居た。弓を持っている。 「へい、ガール。その肩で世界を狙える」 「とっくの昔から狙ってるよ」 腹に軽めの蹴りをいれてチフユは弓の男を気絶させた。 軽めといっても4メートルくらい地面を走ったが。 (やりすぎだ) 「んだよ。殺してねぇから安心しろ」 (違う。『土壌掬い』だ。身体が壊れる) 「精々筋肉痛になるくらいだろ。頑張れ」 (このバカ姉が……) 多少、柔らかくなってもチフユはチフユだった。 とりあえずライに加勢する為の動きはする。まず間違いなく大丈夫だろうが。 しかし、その予想とは裏腹にチフユの目に映ったのは世にも奇妙な光景だった。
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