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ミナツが駆け出した時、ライはあえて動かなかった。
敵が狙っているのはあくまでもカロス家。ここを動くわけにはいかない。
予想通り、敵が来たのでそれを迎撃。一本背負いで投げ飛ばそうとした。
ここが油断したポイント。相手が何も持って居なかったので素手格闘だと勝手に決めつけた。
敵の中年の男は『呪具』使い。それも相手に触れて発動する。
まさか服自体が『呪具』になっているとは思わなかった。
その『呪具』の効果でライは一本背負いを盛大に失敗。顔を地面に叩き付けた。
急いで距離を取りつつ構える。視線が低い。服がブカブカ。鼻を押さえながら高い声で喋る。
「何しやがった」
「これはこれはショタになるとは中々良い札を引いた」
そう。ライの身体が縮んでいた。十歳くらいに。
「オレの『呪具・エイジスロット』は対象の身体をランダムに変化させる。子供になったとあってはもうふががが」
中年だった男は説明しながら入れ歯をはめ直す。腰が曲がって足がプルプルしている。
「小さな欠点はオレもランダムに変化することか」
「ただの欠陥魔具じゃねぇか、ふざけんな!」
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