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それはシモンには気付かれても良い様に魔法を使っていたということ。
尤も、シモンなら隠れようとしても見つけただろうが。
ずっと気にはなっていた。こんなことが出来るのはフロウしかいない。そう断言しながらも疑問を覚えていた。
捜査を撹乱させたのは何故か?
戦力を分散させたのは何故か?
『飛行機』に協力した理由は何か?
結果からどういう風に動いて欲しいかは伝わってくる。しかし、動機が全く分からなかった。
そう、フロウの姿を見るまでは。
シモンのフロウに対する第一印象は軽い女だった。強い力で押しても空を舞う葉のようにひらりひらりとかわす。
地面に足がついていない。だからこそシモンはニーナをたぶらかしたことを許せなかった。
だが、今は違う。それは一つの意志となってシモンの身体を衝く様な雰囲気を生み出していた。
違うことなく、『殺気』。
この一連の騒動。その結果。それは全て、伝説の老兵シモンを殺す。ただそれだけの為の、戦わない人間が戦う覚悟―!
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