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銃を使うのが楽しい。人を殺すのがもっと楽しい。
特にこの殺るか殺られるかのギリギリの戦い。怒りも恐怖も凌駕する。
次はどういう手で来るか。それを考え、読むだけでシモンの気持ちが高揚していく。
いつまでもこの時間を体験していたい。そうシモンは思っていたが、終わりの時が訪れた。
フロウが真正面から突撃してきた。これはフェイクの可能性が高い。
だが、その思考を利用して正面から来たこともあったのでとりあえず牽制程度に肩と足に一発。すり抜けた。
そこからシモンは五感をフル活用。フロウに対してそれは愚策だと感じるかもしれないがそれは違う。
フロウの魔法は『聴覚』を騙すことは難しい。『空耳』という魔法はあるにはあるが別の場所から聞こえるようにしているだけ。
つまり、音は消せていないのだ。耳を澄ませて方向に惑わされず小さな音を拾えば場所が分かる。
そして、シモンの耳が足音を拾うのと同時にサブマシンガンが火を吹きフロウの身体が僅かながら宙を舞った。
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