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勝った。そう確信したシモンだったがすぐに思い直す。
今の銃撃で飛んだフロウの身体は不自然だった。まるでタイミングがズレていたかのように。
もしこれが、こちらの銃撃に合わせて動かした魔法なら、本体は別にいる!
瞬間的にそう判断し本体を探すが、それはもう遅かった。
すぐに分かった。白衣を赤く染めたフロウが居たのは、真正面。
様はフロウは突撃した時、当たったのだが当たってないように『誤認』で見せた。
シモンに他に本体がいると判断させ距離を稼いだのだ。
フロウのバタフライナイフが妖しく光る。若い頃ならまだしも今の身体では回避は不可能。
シモンが取った行動は防御だった。両腕をボクサーのように上げ首への攻撃を防ぐ。
脆いバタフライナイフならば腕ごと首を切断することは出来ない。
片腕の肉に挟まれ止まったところを銃で蜂の巣にする。片腕くらい冥土の土産にくれてやる覚悟で。
フロウは、右でも左でもない。多少振りかぶって上から降り下ろした。
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