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「さて……」
チフユに頬擦りされてる時に元に戻って理不尽に突き飛ばされたライは風に耳を傾けていた。
チフユはミナツに戻り、地面に耳を押し付けている。
「ライ」
「分かってる。そろそろ潮時だ」
ライとミナツは敏感に敵の気配を察知していた。そしてそれがもう近いことも。
ライはカロス家に首だけ突っ込んで叫ぶ。
「セリスー!あと三分だー!間に合うかー!?」
返答。
「あと五分持たせろー!」
「ふむ……」
ここで無理だと答えずに冷静に策を考えるのがライ。
十秒で策を思い付いたライは即座に指示を出す。
「ナツ、お前は撤収の準備。五分経ったら無理矢理で良いからセリスを引っ張ってこい」
「ライは?」
「時間を稼ぐ」
「………バレてはいけないんじゃなかったのか?」
「バレねぇようにやるんだ。そりゃ人の手で足止めされりゃ気付くだろうが」
ライは一人で歩き出した。
「天災なら仕方ないと思えるだろ?」
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