飛翔の町

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* ロッパ王国相手に大規模戦争を仕掛けることにしたライ達が今どこにいるかと言うとナダの町、つまりはメリカ民国だった。 ロッパ王国に帰らねばならないライだったが、ルートがもうそれしかなかったのだ。 フリカとロッパは国交断絶中である。ジアはこれからフリカと同盟を結ぼうとしているのでライがそこの国境を越えるのは得策ではない。 対してメリカ民国はそのおおらかな国柄のおかげで警戒が薄い。 メリカ民国のモットーは、来るもの拒まず去るもの追わず侵略せず抵抗せず。 言わば自由主義で平和主義の国。いい加減な国というのが一番分かりやすい。 「おい、いい加減にしろ。見てて気が散る」 そんな国でセリスは二人にそう言った。 苦笑いを浮かべるライと、あからさまに距離を取っているミナツに。 「すまん、セリス。気持ちの整理がつくまでああさせてやってくれ」 「……お前、何をした?屋根から転げ落ちてからだぞ。様子が変なのは」
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