飛翔の町

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「は?」 ライの頭の中が多少白くなる。 「だから食べたんだって」 「その、何を?」 「ニーナちゃん」 「ニーナちゃんの何を?」 「ニーナちゃん本人を」 「……性的な意味で?」 「その通り」 ふぅーとライは息を吐いた。 「あんたマジで何やってんの!?」 「そんなの同性でセッ―」 「言うな!それ以上言うな!」 フロウがライを除いてそういう人間だったと忘れていた。 「はぁ、そりゃ大事な孫娘を汚したら怒るに決まってるわな」 「失礼だね。汚してないよ。舐めはしたけど」 「止めろ。先輩の床事情なんて聞きたくねぇ」 アハハハと苦笑いをするフロウ。 「でも、シモンが怒ったのはそこじゃないんだ。僕が食べたのはあくまできっかけだったというだけで」 「きっかけ?」 「彼女、同性愛に目覚めちゃってさ。シモン的にはそれが気に入らないみたい」 「そりゃ自分の孫がいつの間にかレズビアンになってたら泣くぞ。オレでも泣く」 ライがやれやれと溜め息をついた時、フロウはふと思い出したように言った。 「そう言えば、ミナツちゃんは一緒じゃないのかい?」
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